専門調査員 ボツワナ大 Y・Sさん
ボツワナ

一般事情
面積:56.7万平方キロメートル(日本の約1.5倍)
人口:267万人(2023年:世銀)
首都:ハボローネ(Gaborone)
民族:ツワナ族(79%)、カランガ族(11%)、バサルワ族(3%)等
言語:英語、ツワナ語(国語)
宗教:キリスト教、伝統宗教
外務省HPより

プロフィール
赴任公館:在ボツワナ共和国日本国大使館
在職期間:2014年12月~2016年12月
氏名:S・Yさん
*担当事項
経済、開発協力、広報・文化
*専門調査員になるまでの経歴、専門
慶應義塾大学総合政策学部卒業後、シドニー大学大学院政治経済研究科にて修士号(移民経済学専攻)取得。専門
は「開発経済学」。
*専門調査員を知ったきっかけ
学部生時代にインターンをしていた国連機関において、国連職員になる前段階の職として勧められました。
*専門調査員を希望した動機、期待していたこと
開発途上国において開発援助に関わる仕事に携わりたかったため、経済協力班所属の専門調査員職を希望しまし
た。着任当初は、日本政府の立場から開発援助を実施することを経験し、援助の現実を知ることを期待していまし
た。実際には、まだまだ日本の知名度の低いボツワナで開発援助を展開していく上で苦労の連続でした。

*専門調査員後の仕事と選んだ理由
専門調査員時代に経験し学んだ日本政府の開発援助について、より現場に近い立場で実際に開発プロジェクトを管
理・運営する立場に立ちたいと思い、現職である国際協力機構(JICA)専門家職を選択しました。当時、専門調査
員として日本政府からの新たな対ボツワナ及びSADC(南部アフリカ開発共同体)支援を獲得することに従事して
いましたが、現在は、そこから生まれた新たなプロジェクトを実施する立場で働いています。したがって専門調査
員時代に携わっていたことと関連性が強く、当時の経験を直接的に活かすことが出来ています。
*将来について
専門調査員及び現職の業務を通して、日本政府の実施する開発援助の影響力と重要性を改めて感じました。引き続
き日本政府の開発援助に関わる業務に携わりたいと考えています。当該分野で10年以上の十分な実績と経験を積
んだ後には、国連機関のポストに応募することを目標としています。
*専門調査員試験を受けるに当たってどのような勉強をしたか
応募赴任国における日本政府の開発援助展開、経済動向、国の抱える課題等について現地メディアの報道や日本国
大使館のホームページから情報収集しました。特に、大使館ホームページに毎月更新される月報の情報は便利で
す。主要な経済評価機関やシンクタンクの報告書も大変有用でした。試験当日にすぐに使えるよう、勉強した内容
を暗記しておくことが重要であると思います。
*受験を考えている方へのメッセージ
専門調査員職は、公館によって働き方も業務の幅も様々です。自分は小規模公館に勤務していましたので、班の枠
を超えて大変多くの仕事の機会を頂きました。サミット等、各種国際会議への出張や新しい開発協力プロジェクト
を開始させるまでの調整・交渉等、外交の現場に立ち会わせていただいたことは大変貴重な経験となりました。同
時に、微力ながらも日本の外交活動に貢献しているという誇りを持ちながら働くことの出来る現場でもありまし
た。
一方で、“かっこいい”華やかな外交活動ばかりではなく、書類作成等の事務的な仕事も多いのが大使館業務の特
徴です。正確かつ効率的な文書作成能力が求められます。
また、今まで特段関心を持つことのなかった広報や文化といった業務にも携わることで、自分の中で新しい分野
の開拓をすることが出来ました。大使館業務の中で広報・文化班の仕事は、政府関係者以外の人々とコミュニケー
ションを取る貴重で楽しい時間にもなりました。どのような働き方をし、どのような人脈を形成していくかは自分
次第であり、可能性を大きく広げることの出来る仕事であると思います。皆さまのご活躍を祈念いたしておりま
す!
