派遣員 サウジアラビア大 髙橋響さん
サウジアラビア王国

一般事情
サウジアラビア王国
面積:215万平方キロメートル(日本の約5.7倍)
人口:3,217.5万人(2022年、サウジアラビア国勢調査)
首都:リヤド
民族:アラブ人
公用語:アラビア語(公用語)
宗教:イスラム教
外務省HPより

プロフィール
氏 名:髙橋 響さん
赴任公館:在サウジアラビア日本国大使館
職 種:派遣員
在職期間:2023年3月~2025年3月
*ご赴任前は何をされていましたか?簡単に教えてください。
神田外語大学外国語学部の3年生でした。
*帰国後のご状況を教えてください。
大学に復学して就職活動中です。
*派遣員制度はどのようにお知りになりましたか?
高校生時代の大学選びの際、神田外語大学のホームページから派遣員について知りました。
*派遣員を希望した理由は何ですか?
海外で働いてみたいという憧れが1番大きな理由でした。そこにコロナ禍も加わり、留学などがキャンセルされて外に出る機会がどんどん失われていく中で、派遣員であればコロナ禍であっても募集していて、日本の外交を支える大使館での勤務経験も積めるので応募しました。
*担当事項・業務内容等、実際に現地でされていたお仕事について教えてください。
私の業務は主に、大使館員や公用出張者が外交活動をする上で必要なサポートを提供することでした。
館員や出張者が訪問する際の出入国支援や宿舎留保、フライトチケットや配車を手配して、彼らの外交活動が円滑に行えるように、関係各所と調整交渉を行なっていました。出張者がいない時は、経理補佐や資料作成、現地職員のマネジメントなど、幅広い業務を担当していました。他にも現地企業や旅行代理店、ホテル関係者とコーポレート契約を結んだり、公用品調達の交渉を行なっていました。
また、総理大臣や国務大臣が訪問した際には専用の体制が作られ、私は配車班として全体の車列形成や裏配車、乗せ込みなどを担当しました。サウジアラビアは日本との関係も深く、私の赴任した2023年には日・サウジ首脳会談もあり、1年目から大規模な便宜供与を経験出来ました。結果2年間で岸田前総理大臣をはじめ、複数回の外務大臣、他省庁大臣などの政府要人訪問を経験することが出来ました

*実際に経験されて、派遣員の魅力はどんなところだと思いますか?
派遣員の魅力はなんと言っても、経験できることの規模と幅広さだと思います。
学生で派遣員に合格した場合は、社会人経験が無い状態でいきなり外交活動の最前線で勤務することになり、且つ単身赴任の場合はいきなり海外で一人暮らしが始まることになります。そんな環境の中、仕事でもプライベートでも訳がわからない状態で自分なりに考え、時には人の手を借りながら一つ一つ学んでいく経験は、決して多くの人が体験できる事では無いと思います。
公館にもよりますが外務省職員のみならず、他省庁、民間からの出向者と働いたり、現地のホテルや旅行代理店のカウンターパートと協議したり、時には大使のアポに同行、政府要人のお出迎えと、派遣員でしか体験できない事が山ほどあります。さらには現地に拠点を持つ日本のメーカーや商社などの駐在員と交流を深めることで、色々な業種の話を聞くチャンスもあります。挙げたらキリが無いですが、私が学生のまま過ごしていたら、このような濃厚な経験をすることは間違いなく出来なかったですし、学生のうちに体験出来たからこそ価値があるものもあったと思います。もちろん社会人の人も、そのタイミングで行ったからこそ見つけられる価値があると思います。今までの人生からは想像出来ないような、幅広く、規模の大きい体験ができることが派遣員の魅力だと思います。


*今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。
自分がどのような仕事に就くかはまだ詳しく決まっていませんが、語学力や派遣員として勤務する中で培ったものを活かせる環境で、自分の成長と共に社会貢献していければと思っています。
*派遣員を目指す方へメッセージをお願いします。
派遣員として過ごす2年間は大変貴重で、自分の中の仕事に対する考え方や人生観にも強く影響を与えるほど、インパクトの大きい経験でした。もちろん楽しい事ばかりではなく、辛いことや上手くいかない事も数多くありました。ただ、それらのおかげで自分が成長出来たのも事実です。
あなたが派遣員になった時、壁にぶつかることもあるかと思います。しかし、それらを乗り越える時に得られる学びや経験は、その後の人生で一生使える武器になると確信しています。長い人生の中でたった2年間だけの短い期間です。挑戦する価値は十分にあると思いますので、ぜひ勇気を出して、1歩前に踏み出してみてください。
1人でも多くの方が目標を達成できることを願っています。