派遣員 ウルグアイ大 杉山耀一朗さん
ウルグアイ東方共和国

一般事情
ウルグアイ東方共和国
面積:17.6万平方キロメートル(日本の約半分)
人口:339万人(2024年、世銀)
首都:モンテビデオ
民族:欧州系88%、欧州系と先住民の混血6%、アフリカ系10%
公用語:スペイン語
宗教:キリスト教(カトリック)などが信仰されている。憲法で政教分離、信仰の自由を保障。祝日から宗教色を排除し、クリスマスは「家族の日」、イースターは「観光週間」と呼ばれている。
外務省HPより

プロフィール
氏 名:杉山 耀一朗さん
赴任公館:在ウルグアイ日本国大使館
職 種:派遣員
在職期間:2023年9月~2025年9月
*ご赴任前は何をされていましたか?簡単に教えてください。
南山大学外国語学部スペイン・ラテンアメリカ学科(スペイン専攻)の学部3年生でした。
*帰国後のご状況を教えてください。
任期を終え、大学に復学しました(学部3年生後期)。残りの1年半は、主に所属している学科のゼミ活動に取り組む予定です。
*派遣員制度はどのようにお知りになりましたか?
私が所属している学科の先輩方の多くがこれまで派遣員として活躍されていたので、先輩方の体験談を聞いたり、大学で開催された説明会に参加したりして、派遣員制度を知りました。
*派遣員を希望した理由は何ですか?
学部3年生に進級した際に、“スペイン語を使って海外で活動したい”と思うようになり、留学も考えましたが、“就労経験を積みながら、スペイン語を使って海外で活動できる”派遣員制度に出会い、 その制度内容や派遣員の業務内容に魅力を感じたので派遣員を希望しました。
*担当事項・業務内容等、実際に現地でされていたお仕事について教えてください。
派遣員の主要な業務である配車手配や運転手の労務管理に加え、館内会議資料作成や会食メニュー表作成等の庶務業務も担当していました。出張者や離着任者がいる時は、派遣員の代表的な業務である空港送迎や生活立ち上げ・離任支援をしていました。また、時期によっては、各種調査案件を担当することもありました。任期の終盤には、広報文化関連の業務についても担当を任せていただき、大使公邸での広報文化イベントの運営等をしました。


*実際に経験されて、派遣員の魅力はどんなところだと思いますか?
まず、“海外で働く”ことだと思います。任期中は、特に派遣員の仕事柄、大使館から外出して仕事をすることが多いですが、大使館は比較的、日本でのオフィスワークに近い環境であるものの、一歩外に出ればそこは異国の地であって、外国語を使って仕事をしていくことになります。現地の方々、例えば、不動産業者や旅行代理店、現地病院等と仕事をする際は、価値観や文化の違いによって生じる複雑な事案等困難な場面と何度も遭遇しますが、その際は、相手に理解してもらうように外国語で説明し、同時に相手が理解できるように立ち回ることで、仕事を進めていくことができます。私はこの点に派遣員の魅力を感じており、異国の地で外国語を使ってコミュニケーションを取りつつ、その土地の人のことを理解するように努めながら仕事をしていく経験はなかなかできることではないと思います。私の場合、“スペイン語を使って海外で活動すること”が派遣員を志望した理由だったので、個人的な感想ですが自身の求めていたものと非常に合致したものだったと思います。また、派遣員が担当する業務は、大使館で勤務される方々の“基礎”となる部分であることが多いので、何が求められていて、どのようにして応えるのかを常に考えます。更に、派遣員の業務は上述したように外部業者との仕事が多くなるので、相手との関係構築のために、時には日本風のものをプレゼントしたりなど、 新しい関係を築くとともに、それを深めるために行動をします。これらの思考や行動は、社会人として将来一般企業等で勤務する際にも求められるものになると思うので、学生時から一時的に休学して派遣員として勤務する場合、業務を通じて、一足早く社会人経験をすることができるのも大きな魅力だと思います。


*今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。
派遣員として2年間大使館で勤務をし、様々な外交の現場を体験しましたが、そのなかで知的な刺激をたくさん受けました。そのため、現在は大学院への進学等、アカデミックな道へ進みたいと考えています。ですが一方で、派遣員として主に運転手の労務管理をする中で、労働管理関係の業務にも興味を持ち、それについて考えるようになったので、資格を取得して、派遣員時代に経験したものをベースに一般企業に就職することも選択肢に入れています。
*派遣員を目指す方へメッセージをお願いします。
“外務省”や“在外公館”と聞くとなんだか難しそうなイメージを持たれると思います。実際に、派遣員の仕事は簡単ではなく、責任感を持って勤務することが求められますが、だからこそ得られる唯一の経験があると思います。私も何度も心が折れ、最初はなにもできず、周りの方々に支えてもらって、はじめて乗り越えることができたので迷惑もたくさん掛けましたが、それでも任期を終えて2年前の自分より出来ることが多くなったこと、そして“なんとかする”心構えが身についたと思います。もし派遣員に挑戦するにあたり、自分にできるかどうか不安を抱いている方がいるのであれば、まず飛び込んでみることをおすすめします。ある程度の準備は当然必要ですが、勤務していくうちに不安は小さくなり、楽しんでいる自分に気が付くことができると思います。派遣員制度は、外国語を使って働いてみたい方、そして異国の地で仕事をしてみたい方には非常に良い機会です。任期中は大変なことが多く、困難を伴うこともあるかもしれませんが、きっと素晴らしい経験をすることができます。