OB・OGメッセージ

専門調査員 ボスニア・ヘルツェゴビナ大 銑川(かながわ)貴久さん

ボスニア・ヘルツェゴビナ

一般事情


ボスニア・ヘルツェゴビナ
面積:5.1万平方キロメートル
人口:321万人(2023年・世界銀行)
首都:サラエボ
言語:
ボスニア語、セルビア語、クロアチア語
宗教:
イスラム教、セルビア正教、カトリック
                        外務省HPより

一年に一度行う天皇誕生日レセプションの会場にて。

プロフィール

氏  名:銑川(かながわ)貴久さん
職  種:専門調査員
赴任公館在ボスニア・ヘルツェゴビナ日本国大使館
                  在セルビア日本国大使館
在職期間:ボスニア 2022年4月~2025年3月
     セルビア 2019年4月~2022年3月
                   ※通常任期は2年ですが、館務都合により1年延長しています。

 

*ご赴任前は何をされていましたか?簡単に教えてください。
大学院生をしていました。

*帰国後のご状況を教えてください。
外務省にて勤務しています。

*専門調査員制度はどのようにお知りになりましたか?
研究室の同期が専門調査員として勤務しており、大学には派遣員を務めている同級生や先輩、後輩も複数いました。

*専門調査員を希望した理由は何ですか?
大学院ではスラヴ系の言語・文化の研究をしており、その中でも以前より関心を有していたバルカン地域で勤務しつつ、日本の外交にも関わることができるという点に魅力を感じたためです。

*担当事項・業務内容等、実際に現地でされていたお仕事について教えてください。
セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナともに主に政務班に所属し、日々の情勢のフォロー、関係者との面会による情報収集、分析等を担当していました。イレギュラーな業務としては、広報文化関係の会談でボスニア語通訳をつとめたこともあります。そのほか、要人の訪問があった際には訪問先との調整、現場対応等を主に担当しました。応援という形で他公館に出張したこともあります。

*実際に経験されて、専門調査員の魅力はどんなところだと思いますか?
外交官としてではないものの、在外公館という一般的にはあまりなじみのない環境で、政府関係者や有識者とコネクションを作りながら、任国に対する理解を深められるところです。また、日本の外交政策の一端を最前線で直に見ることができます。やる気さえあれば、たとえば現地語の習得等にも時間を割くことができ、任国次第ではありますが英語以外の言語の習得や、任国関係者のほか様々な国や代表部との関係構築も通じて多角的な価値観を身につける一助となります。公館によっては本省の外交官のほか、外務省以外の省庁、自治体、民間企業等からの出向の方も在籍しているため、任期終了後のキャリアを考えるにあたり、さまざまな分野の話を聞けることもプラスになりました。

*今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。
専門調査員として身につけたバルカン地域への知見や言語の知識を更に広げつつ、諸国と日本との関係の発展に貢献していきたいです。チャンスがあれば、専門調査員の経験と現地語の知識を生かし、再びバルカン地域で仕事をしたいと考えています。

*専門調査員を目指す方へメッセージをお願いします。
隣国同士で共通点も多い一方で違いも大きいバルカン半島の二国に専門調査員として滞在できたことは、私の人生やキャリアの中でも大きな財産でした。セルビアではコロナ禍と重なってなかなか思うように業務を遂行できないジレンマもありましたが、空いた時間で現地語の学習を進めて業務でも使えるようになったことで、その後のボスニアでの任期も通じて、現地の方々との距離もさらに縮まった気がしています。2~3年間というのは長いようでいてあっという間です。私の場合、2ポスト約6年間の任期でしたが、それでも終わってみると光陰矢のごとしという言葉がぴったりだなと振り返っているところです。特にコロナ明けのボスニアでは出張をしたり、独自にカウンターパートと関係づくりをしたり、やりたいこと、やるべきことをできるだけ多く達成するようにつとめてきましたが、それでもまだまだやり残したなあと思うことは多いです。これから専門調査員を目指されるみなさまが見事合格を勝ち取り、少しでも充実したという満足感とともに任期を終えることができるように祈っております。

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