派遣員 インド大 伊藤陸人さん
インド

一般事情
一般事情
面積:328万7,469平方キロメートル(インド政府資料:パキスタン、中国との係争地を含む)(2011年国勢調査)
人口:14億1,717万人(2022年世銀資料)
首都:ニューデリー(New Delhi)
(注)インド連邦直轄領の一つである「デリー」の呼称も広く一般的に使われていますが、インド政府は「ニューデリー」をインドの首都としております。
民族:インド・アーリヤ族、ドラビダ族、モンゴロイド族等
言語:連邦公用語はヒンディー語、他に憲法で公認されている州の言語が21言語
宗教:ヒンドゥー教徒79.8%、イスラム教徒14.2%、キリスト教徒2.3%、シク教徒1.7%、仏教徒0.7%、ジャイナ教徒0.4%
(2011年国勢調査)
識字率:73.00%(2011年国勢調査)
外務省HPより

プロフィール
赴任公館:在インド日本国大使館
在職期間:2022年3月~2024年3月
氏名 :伊藤 陸人(いとう りくと)さん
ご赴任前は何をされていましたか?簡単に教えてください。
東京外国語大学 国際社会学部・国際社会学科 ヒンディー語4年(卒業と共に赴任)
帰国後のご状況を教えてください。
インド政府奨学金を頂き、デリー大学政治学部に修士課程に進学
派遣員を希望した理由は何ですか?
私が在インド日本国大使館の派遣員に応募した理由は、インドに滞在し日本とインドの外交関係に携わる仕事をしたいという思いからでした。東京外国語大学で南アジア地域ヒンディー語を専攻し、インドやその言語について学び、特に、交換留学生としてジャワーハルラール・ネルー大学(JNU)に留学し国際政治を学ぶ中で、この思いが強まりました。また、インドに長期滞在することで、現地での体験を通し、西ヨーロッパがすっぽりと入る多様性のあるインドをより深く知りたいとも考えていました。
担当事項・業務内容等、実際に現地でされていたお仕事について教えてください。
インド大派遣員は総務と会計を兼務し、その業務は館内のロジ、外交行事のロジの主に二つに分けられます。
前者は物資の調達、館員の離着任支援、館内行事の運営等大使館内で取り組むタスクとなります。
後者は様々な日本からの要人(総理大臣、議員、政府関係者など)への支援です。空港での出迎えや見送り、ホテルやレストランのアレンジなどが具体的なタスクになります。これらの業務を行う際はインド現地の外務省、空港、ホテルなどと日頃から関係を構築する必要があり、言語能力が活かされる場面です。特に、当方の任期中はインドが議長国を務めるG20があり、インド各地で実施される数多くの各大臣級会議に出張し、日本からの代表団をサポートし、円滑な会議となるようインド側との調整業務に携わりました。こうした、業務に関連して、日本から出席された大臣と肩を並べ、インドカレーを手で食べたのは良い思い出です。
今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。
派遣員としての経験を経て、私はさらにインドの政治・外交について専門的に学びたいと考え、現在はインド政府国費留学生としてデリー大学で政治学(修士)を専攻しています。将来的には、日本とインドの関係の発展に貢献できるようなキャリアを外務省やシンクタンクなどで築いていきたいと考えています。大使館派遣員としての経験は、国際関係の分野でのキャリアを目指す上で大きな財産となり、今後の進路においても大いに役立つと確信しています。この経験を糧に、大学院にてより専門性を高め、日印関係のさらなる発展に貢献していきたいと考えています。
派遣員を目指す方へメッセージをお願いします。
在外公館派遣員として、微力ながらも日本外交に寄与できたことは大変やりがいのあることでした。また、自分が興味を持ち、学んだ国に、外交団の一員として生活することは学生としてでは得られない体験がありました。仕事は、館内の業務にとどまらず外交行事での調整や交渉を行う機会もありました。また、外交の現場に直接携わることで、日本の国際的な立場や政策決定の過程を肌で感じることができました。特にインドでは、計画通りに物事が進まないことも多く、異文化の中で働くことの難しさを実感する場面も多くありましたが、それ以上に、日印関係の発展に貢献できるやりがいのある仕事だと感じました。働くその国や外交に関心がある方はぜひチャレンジしてほしいと思います。
