派遣員 ミャンマー大 市原壮真さん
ミャンマー連邦共和国

一般事情
ミャンマー連邦共和国
面積:68万平方キロメートル(日本の約1.8倍)
人口:5,114万人(2019年推計(ミャンマー入国管理・人口省発表))
首都:ネーピードー
民族:ビルマ族(約70%)、その他多くの少数民族
公用語:ミャンマー語(公用語)、シャン語、カレン語など
宗教:仏教(90%)、キリスト教、イスラム教等
外務省HPより

プロフィール
氏 名:市原 壮真さん
赴任公館:在ミャンマー日本国大使館
職 種:派遣員
在職期間:2021年9月~2023年9月
*ご赴任前は何をされていましたか?簡単に教えてください。
神田外語大学外国語学部英米語学科に在籍しており、3年時に休学をして赴任しました。
*帰国後のご状況を教えてください。
帰国後は大学に復学し、卒業後の現在は都内のIT企業で働いています。
*派遣員制度はどのようにお知りになりましたか?
高校生の時に神田外語大学のホームページを見て派遣員制度を知りました。大学入学後には派遣員経験者の先輩から体験談を聞く機会があり、興味を持ちました。
*派遣員を希望した理由は何ですか?
「海外で働いてみたい」という漠然とした憧れに加え、派遣員経験者の先輩から聞いた生き生きとしたエピソードが大きなきっかけでした。自分にはない経験や視点を持つ先輩の姿に強く惹かれ、自分も挑戦したいと思うようになりました。さらに当時はコロナ禍で海外にいくことが容易ではなく、留学も思うようにいかない状況でした。
*担当事項・業務内容等、実際に現地でされていたお仕事について教えてください。
主に会計業務、航空券やホテルの手配、館用車の管理、館員の離着任支援などを担当しました。 会計業務では、館員の出張や休暇などに伴う処理などを行っていました。 航空券やホテルの手配に関しては、日常的に現地の旅行代理店やホテルと連絡を取り合い、さらに大使館の現地職員とも協力して出張・休暇・離着任に必要な手続きを行いました。 館用車配車の管理業務では、大使館の運転手と密に連携し、業務内容に応じて適切な車種や運転手を割り当てるなど、館員の活動に必要な配車を行いました。 また、館員の離着任の際には、住居探し・銀行口座の開設・自動車の購入等関連の生活立ち上げのための関連業務や館内の各種手続きなどを支援しました。


*実際に経験されて、派遣員の魅力はどんなところだと思いますか?
2年間という決まった期間で様々な挑戦ができる点、そしてその挑戦を支えてくれる人や尊敬できる人たちが周りにいる点が魅力だと思います。
海外で生活したことも、大使館のような場所で働いたこともない私にとって、派遣員は大きな挑戦でした。ミャンマーというのはどんな国なのか、外交の現場がどう動いているか、どうやって会計処理をするのか、どのようにメールを書けば現地旅行代理店により伝わるのか、レストランではどのように注文すれば良いのか、街中ではどういう行動がリスクを伴うのかなど、すべてが新しい経験でたくさんの学びがありました。これらを一つずつ自分の力にできたことは大きな自信に繋がりましたが、右も左もわからない中でこれらを乗り越えていくのは一人では難しかったとも感じています。同じ班の上司や現地職員には基礎から仕事を教わり、他班の館員からはも仕事に向き合う姿勢を学びました。さらに大使館の中だけではなく、現地駐在の企業の方や起業家の方々と交流する中で、より広い視野を持って仕事やミャンマー・日本について考えるようになりました。ミャンマー人の友人からは、文化や現地の生活などたくさんのことを教えてもらい、感謝しています。こうした様々な方との関わりを通じて、自分は外交の現場にいて日本およびミャンマーのために働いているという意識も強まっていったように思います。2年間という期間で自分の体を使ってこのようなたくさんのことを学ぶことができるというのは、かけがえのない経験だと考えています。
*今後の目標やキャリアプランをお聞かせください。
派遣員として赴任した直後に必死で業務に向き合っていたように、現在は目の前の仕事に全力投球の日々を送っています。そして、大使館赴任当時と任期満了時に見える景色が全く違っていたように、今の仕事に向き合った先に見えるものを期待しているところです。ただ、長期的にはミャンマーや日本のために働いていると強く感じることができるような仕事に再び携わりたいとも考えています。現在もミャンマーの企業や友人との交流は続けていますし、ミャンマー語の学習も継続しています。そういう意味では、大使館で経験した2年間は今後も自分の原点であり続けるのだろうと思います。大学3年時に一歩を踏み出して派遣員試験に挑戦してよかったと思いますし、これからもそういう一歩を踏み出せる自分でありたいと思っています。
*派遣員を目指す方へメッセージをお願いします。
派遣員として過ごした2年間は、様々な困難や挑戦に正面から向き合う姿勢の大切さを実感する日々でした。赴任当時私は大学3年生で、自分に務まるのかと不安もありましたが、結果として本当に多くの方々の力を借りて2年間の任期を全うすることができました。できないことはたくさんありましたが、壁にぶつかるたびに自分を見つめ直し、必要な時は周りに頼ることでひとつひとつ壁を乗り越えてこれたと感じています。私はこの経験ができて本当によかったと思っていますので、同じような志を持つ方にはぜひ頑張っていただきたいです。みなさんの挑戦を応援しています。