雑誌インタビュー

『国際協力キャリアガイド 2024-25』

世界をつなぐ仕事:在外公館で働く

-自分の礎になる貴重な経験。迷うならぜひ挑戦してください。

奈良県立国際高等学校

英語科教諭

吉田健悟さん

派遣先:パキスタン在カラチ総領事館

2015年9月~2018年9月

大学在学中にパキスタンへ

 大学を休学し、在外公館派遣員制度を利用して、パキスタン在カラチ総領事館へ3年間赴任しました。同級生が派遣されると聞いて「自分もぜひチャレンジしたい」と触発されたのがきっかけです。

 現地での業務内容は通訳・翻訳をはじめ、在外公館に来られるお客さまを側面支援する便宜供与、会計・事務処理、ウェブサイト管理、レセプションの補助業務、現地に向けた日本文化の発信など。小規模公館だったので、多岐にわたる仕事を任せていただき、とても貴重な経験ができました。もともと教員になりたかったのですが、大学卒業後にストレートで教職に就く前に別の仕事を経験しておきたいという気持ちがあり、まさに派遣員制度はぴったりでした。

 パキスタンでは、インフラ事情、生活習慣、宗教が日本とはまったく異なる異文化環境で仕事をする中で、自分の考えを英語で伝える力や、自分がマイノリティーになるという貴重な視点を得ることができました。一方で、現地には近代的なショッピングモールや映画館もあり、若いうちだからこそ楽しめる刺激的な体験となりました。

国際交流や教員育成、続く挑戦

 海外での生活は、戸惑ったり悩んだりすることもありますが、自分の可能性やチャンスを見つけるためにも、ぜひ若いうちに挑戦してほしいと思います。

 生徒たちには、英語の授業を通して、コミュニケーションの重要性や、英語圏は欧米豪だけではないことを伝えています。学校の国際交流で、今は台湾やフランスの学校とオンラインで交流をしていますが、ゆくゆくはパキスタンの学生たちとの交流も叶えたいです。交流の中で、相手と理解し合おうとする姿勢の大切さを生徒たちに感じてほしいです。

 パキスタン滞在中、多様なキャリアの人たちと接して視野が広がり、大学院進学という夢を見つけました。それを叶えるために、来年はカナダ留学にチャレンジする予定です。カナダでは、将来、携わりたいと考えている教員の養成について学びを深めたいです。

『国際協力キャリアガイド2024-25』より転載

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